今回のAMAでは、暗号資産トレーダーであるハゲ先生（@hagesensei）をお招きし、トレーダーの心構えと最近のトレンドについて考えをシェアいただきました。
ハゲ先生の自己紹介
ハゲ先生は、2010年頃からトレードを始めた暗号資産トレーダー。当初は為替FXを中心に取引を行っていましたが、2018年の暗号資産バブル期に興味を持ち、ビットコインのトレードを開始。取引所でリーダーボード最高5位にランクインする実績を収めました。その後もビットコイン取引を続け、2022年から2023年頃にかけてはコピートレーダーとして活躍し、収益ランキングで1位を維持しました。
2024年前半までは先物トレードを行っていましたが、現在は現物投資を中心に切り替えています。主にビットコインを保有しつつ、新たな投資機会を狙っています。
トレーダーとして成功するための心構え
1. 健康を最優先にする
市場が動き続けるからといって、睡眠不足に陥るのは最悪の選択です。特に初心者は、四六時中チャートを追い続けることで心身を疲弊させがちです。健康状態が悪化すれば、冷静な判断ができず、損失が増えるリスクも高まります。トレーダーにとって、睡眠や休息を適切に取ることは「リスク管理」の一環といえるでしょう。
また、精神的な疲労も無視できません。取引で損失が出た場合、一時的な落ち込みや焦りから無理なエントリーをしてしまうことがありますが、このような時こそ取引を中断し、リフレッシュすることが大切です。冷静な心を取り戻すためには、時にはすべて忘れるために寝ることも大切です。
2. 焦らずにチャンスを待つ
「ノーポジションも立派なポジション」です。何が何でも取引をしなければならないというわけではありません。特に明確な相場の方向性がわからない時や、重要な指標発表の直前などは、無理にポジションを持たずチャンスを待つことが重要です。
また、高値掴みや無理なエントリーは避けるべきです。市場では常に新しいチャンスが巡ってきます。失敗を恐れず、次の機会を冷静に待つ姿勢が大切です。月々の積立投資や小さなロットから始めるなど、リスクを分散しながら経験を積む方法も有効です。
3. チャート観察のバランスを取る
チャートを観察する時間を増やすことで市場感覚を養うことは重要ですが、四六時中チャートに張り付くのは逆効果になる場合もあります。適度な距離を保ちながら情報収集を続け、必要な時に的確にエントリーできるスキルを磨くことが理想です。また、小さなポジションで経験を積むことで、無理なくスキルを向上させる方法もあります。
レバレッジ取引におけるハゲ先生の見方
1. レバレッジの適正水準を考える
ハゲ先生は、レバレッジの上限を取引対象によって柔軟に設定すべきだと提言しています。たとえば、価格変動が比較的安定しているビットコインでは、最大でも3倍から5倍程度が望ましいと考えています。一方で、値動きが激しいアルトコインについては、1日に10%～20%の変動も珍しくないため、2倍から3倍未満に抑えることを推奨しています。
これは、過度なレバレッジが相場の変動により一瞬で資金を失うリスクを大幅に高めるからです。安全な範囲でレバレッジを設定することが、安定したトレードを実現する第一歩です。
2. 損切りとリスク管理を徹底する
レバレッジ取引では、損切りのタイミングが成功の鍵を握ります。ハゲ先生は「初心者にとって最も難しいのは損切りだ」と指摘しており、損失を抱えた際に冷静にポジションを手放せるかが大きな課題になると述べています。
特にデモ取引では、実際の資金を使っていないため損失に対する心理的な痛みがなく、損切りが容易に感じられることがあります。しかし、リアルマネーを使った取引では、損失の重みを肌で感じるため、損切りの重要性をより実感できるとしています。
デモ取引は、取引の感覚を掴むために有効なツールですが、ハゲ先生は「実際のマネーを使わない取引では、本当の投資経験は得られない」と述べています。リアルマネーを使うことで、含み損を抱えた際のプレッシャーや、利益を得た際の喜びを通じて、成長が促されます。
そのため、初心者には小額でもリアルマネーを使った取引を経験することを推奨しています。たとえば、小さなポジションを持ちながら実際の市場に触れることで、損益に対する感覚を養い、より現実的なリスク管理が身につきます。
昨今のブル相場に関するハゲ先生の見解
2024年の暗号資産市場は、いわゆる「トランプ相場」と呼ばれる状況が続いています。ビットコインやアルトコインが上昇を続けており、一部では「バブルではないか」との指摘もあります。しかし、ハゲ先生は現時点の相場を「本格的なバブル」だと断言するのは時期尚早だとしています。
1.バブルの見極めは難しい
バブルかどうかは、相場が崩壊して初めて明らかになります。現在の市場は、一部のアルトコインに利食い売りが見られるものの、ビットコインは10万ドル付近で安定的に推移し、アルトコインも急回復するなど、崩壊の兆しは見られません。ハゲ先生は「バブル崩壊の兆候がない現状では、2024年がバブルの始まりであり、本格的なバブルは2025年以降になる可能性も十分あるんじゃないか」と予測しています。
また、バブル相場において多くの投資家が天井を正確に見極めようとしますが、それは非常に困難だと指摘します。「天井は後になって初めてわかるものであり、短期的な高値だったケースもある」と述べ、自分が納得できる価格で利益確定を行うことが重要だとアドバイスしています。
2.アルトコイン市場の複雑さ
アルトコイン市場については、2021年の「コロナバブル」の高値を超えた銘柄もあれば、未だに届かないものもあるなど、銘柄ごとの動きが大きく異なると指摘します。特に、ミームコインや新興アルトコインは短期間で大きな利益を生む可能性がある一方で、「ギャンブルに近い」と慎重な姿勢を取っています。
そのため、ハゲ先生は「アルトコインは投資対象として魅力があるが、リスクを避けたいのであればビットコインが最も無難な選択」と述べています。ビットコインは長期的な成長が期待されるため、初心者や安全志向の投資家には特に適しているとしています。
3.投資戦略の提案
初心者にとっては、ビットコインを中心にポートフォリオを構築し、長期保有する戦略が最もリスクを抑えた方法です。また、定期的な積立投資によって市場の変動リスクを分散させることも有効です。一方で、ミームコインやアルトコインに少額で挑戦することで、高リターンを狙う楽しみも加えることができます。
ただし、ハゲ先生は「自分が納得できる損失許容範囲内で投資を行うことが大切」と強調しています。過度なリスクを取らず、冷静に市場と向き合うことが、ブル相場の中で安定した成果を上げる秘訣だとしています。
ビットコインの将来性と資産形成方法のすゝめ
ビットコインはその将来性において非常に有望であると考えられます。たとえば、トランプ大統領が来年1月20日に就任後、アメリカがビットコインを国として貯蓄する政策を打ち出す可能性があり、その場合、供給量が限られたビットコインの価格はさらに上昇する可能性があります。現在の発行量や半減期を考慮すると、2035年にはビットコインの価格が1億円に達するというシナリオも現実味を帯びています。また、円安が進む中でのビットコインの価値上昇も期待され、長期的な投資対象として魅力的と言えます。
しかし、現行の税制ではビットコインを相続する際に相続税や所得税が発生するため、資産を守るためには将来的に現金化するタイミングを見極めることが重要です。ビットコインをただ保有するだけでは、その資産を活用することが難しくなる可能性があるため、税金のリスクを考慮しつつ、安定した資産運用を計画する必要があります。
一方で、短期間で高い収益を目指す方法として、ミームコインや新興アルトコインへの投資も注目されています。これらは短期間で100倍や1000倍の利益を生む可能性がある夢のある投資先です。ただし、リスクが非常に高く、全額を失う可能性もあるため、資産の一部を余剰資金として投入するのが賢明です。特に、Binanceに上場する前の新興コインが大きく注目されることがあり、そこに早期参入することで莫大な利益を得るチャンスが生まれることもあります。
結局のところ、長期的に安定した資産形成を目指すならビットコインは最適な選択肢ですが、短期間で大きな利益を狙うならミームコインやアルトコインといった高リスク・高リターンの投資も有効です。ただし、いずれの場合もリスク管理を徹底し、自分の資産状況や目的に応じたバランスの取れた投資戦略を立てることが重要です。
短期的な利確タイミングについて
現在、利益確定を迷っている人にとって、年明けまで待ってから利確するというのは一つの選択肢として有効です。年をまたげば課税が翌年に先送りされるため、今は12月中旬というタイミングを考えると、あと数週間待つだけで税金の支払いを1年遅らせることができます。
さらに、来年1月20日はトランプ大統領の就任日であり、暗号資産に関連する新たな政策が発表される可能性があります。この期待感が今の相場上昇の一因と考えられるものの、就任後には「事実売り」が起こり、一時的に市場が下落するリスクも考えられます。そのため、短期的な値動きに備えつつ、年明け以降の状況を見極めながら利確を検討するのが良いでしょう。
短期的には利確のタイミングを慎重に見極める必要がありますが、暗号資産市場全体の動向や政策の発表時期を考慮することで、より有利な取引が可能になると考えられます。
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